つかのま。

読書と日々考えたこと

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年を振り返る

このブログをはじめて初めての大晦日ということで、今年の振り返りを書いておこうと思う。先日の『さやかに星はきらめき』のエントリーにも書いたが、今年は区切りだったり、喉に刺さり続けていた小骨と向き合ってみたりした一年だった。 正確には2022年から…

英語多読を始めた

最近、ふと思い立って英語多読を始めた。目標はメーガン・ウェイレン・ターナー『盗神伝』シリーズを原書で読めるようになること。 このシリーズ大好きなのだが、4巻以降が未邦訳で読めていない。今後も正直邦訳される気がしないので、自分で読もうという算…

村山早紀『さやかに星はきらめき』

さやかに星はきらめき作者:村山 早紀早川書房Amazon人生の最適なタイミングで読めたな、と思える本は大切な本になる。これまでだと例えばレイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』を子どもと大人の境目の気分だった高校生頃に読めたのがとても良かった。 この…

ラルフ・イーザウ『ネシャン・サーガ(9)裁き司 最後の戦い』(コンパクト版)

ネシャン・サーガ〈9〉裁き司 最後の戦い作者:ラルフ イーザウあすなろ書房Amazon1巻を読み終えたのが10月頭だから、約2ヶ月かけて読み終えた形になる。年末までかかるペースかと思いきや最後の方は一気読みしてしまった。 改めて、聖書が深く絡んでいる本だ…

大串夏身『レファレンスと図書館:ある図書館司書の日記』

レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記作者:大串 夏身皓星社Amazon以前、小林昌樹『調べる技術』を読んだ際に紹介されていて気になっていた。図書館にあるのを見つけたので貸出。1988年の東京都立中央図書館での一般参考係のレファレンス日記。昭和の終…

沖縄県立博物館と文化講座「沖縄の美ら星~豊かな星文化にふれる~」

今日はほとんど一日中県立博物館にいた。 お目当ては博物館文化講座「沖縄の美ら星~豊かな星文化にふれる~」。 okimu.jp 先日行ったプラネタリウムでチラシを見かけて気になっていたのと、知人にも紹介されたので。講座自体は午後の2時間ほどだけど、県立…

ミヒャエル・エンデのこと

今日はミヒャエル・エンデのお誕生日。それにかこつけて「エンデと私」みたいなことを少し書いておこうと思う。 好きな作家をひとりだけあげよと言われたら、私はたいていミヒャエル・エンデと答えることにしている。もちろん他にも好きな作家は山程いるけど…

眼鏡を新調した

外出用の眼鏡を新調した。多分8年ほど同じ度数・フレームのまま使っていたから新鮮な感じ。昔は度数の合わなくなった眼鏡を「手元用」として使っていたけれど、ここ数年はわざと度を落とした眼鏡を新品で買って手元用にしている。最近は眼鏡が大分安く気軽に…

トーマス・C・フォスター『大学教授のように小説を読む方法(増補新版)』

大学教授のように小説を読む方法[増補新版]作者:トーマス・C・フォスター白水社Amazon本はそこそこ読んでいたが、ブログは少し間が空いてしまった。若干遡るけどこの本は良かったので備忘録的に書いておきたい。英米文学教授の著者が、わかりやすい語り口で…

船越義彰『小説 遊女(ジュリ)たちの戦争:志堅原トミの話から』

小説 遊女(ジュリ)たちの戦争―志堅原トミの話から作者:船越 義彰ニライ社Amazon那覇市立若狭図書館にて。辻にほど近い図書館で読む。(完全に不注意なのだが)「小説」の文字を見落としていて実録のつもりで読んでしまった。しかし、その勘違いのまま読み終…

プラネタリウムに行った

久しぶりにプラネタリウムに行った。プラネタリウム自体は今年の年初に東京でも見て以来だけども、県内のプラネタリウムに行くのは多分10年以上ぶりだ。 昔はよく父に連れて行ってもらっていた。父は理科教員で、自宅にはたくさんの宇宙・天文の本があった。…

夢を追いかける人の話

たまたま「そういえば東京で演劇やってる親戚がいたな」と思い出すことがあって名前で検索してみたら、その人のSNSと劇団のブログを見つけた。親戚とはいっても本人とは特に交流はなく、向こうは多分私の存在をかろうじて知ってるかどうか…くらいの距離感で…

岡田淳『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』(こそあどの森の物語)

こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ (こそあどの森の物語)作者:岡田 淳理論社Amazon今日初めて行った図書館で見つけたので、つい手に取ってその場で読んだ。読みたいなと思いつつ手に取りそびれていたのでようやく読めてよかった。 こそあどの森シ…

通信制大学(院)がもっと便利になるといい

今、近畿大学通信教育部で図書館司書課程を履修している。これが結構便利で、個人的には通学制の大学よりよっぽど自分にあってるかもなぁと思う。■通信制の良いところ ・時間と場所に縛られない これは本当にすごくいい。社会人だとまずこれが絶対条件になる…

Duolingoダイヤモンドトーナメントで入賞した覚書

2年ほどDuolingoを継続しているが、先週初めてダイヤモンドトーナメント決勝で入賞した。流石に達成感がある。Duolingoは多言語がひとつのアプリでできるのが好き。いろんなコースを齧っているけれど、今回のダイヤモンドトーナメント決勝意識のやり方では日…

イスラエルのことと世界ふしぎ発見!と祖母の傷跡

イスラエルの事態をSNSで知ったとき、私は近所のモスで月見フォカッチャとコーヒーシェイクを飲んでいた。ここ一ヶ月ほど関心が強まっていたイスラエルでの出来事だという事実に動揺しながら、どうしようもない気持ちになりながら、それでも食事の味は変わり…

原田智子(編著)『情報サービス演習〈3訂〉』(現代図書館情報学シリーズ7)

三訂 情報サービス演習 (現代図書館情報学シリーズ)作者:江草 由佳,小山 憲司,原田 智子樹村房Amazon近大司書課程・メディア授業の教科書。授業スタートは11月だけど予習を兼ねてざっと通読。後輩(司書課程では先輩)から譲ってもらえたので余裕を持って手…

ラルフ・イーザウ『ネシャン・サーガ(1)ヨナタンと伝説の杖』(コンパクト版)

ネシャン・サーガ (1)作者:ラルフ・イーザウあすなろ書房Amazonエンデを読むとイーザウも読みたくなる。とりわけはてしない物語のあとにはネシャン・サーガの気分になる。今回は持ち運びやすいコンパクト版で。分厚い本で一気に読むのもいいけど、サクサク手…

鹿島みづき『パスファインダー作成法』

パスファインダー作成法:主題アクセスツールの理念と応用作者:鹿島 みづき樹村房Amazonタイトル通りパスファインダーの作成方法について実践的にまとめている本。 例が豊富でパスファインダー作成の手順を具体的にイメージできた。 近大司書課程のメディア授…

聖書を買った

人生ではじめて自分で聖書を買った。聖書 聖書協会共同訳 旧約聖書続編付き 引照・注付き 中型 SIO43DC作者:日本聖書協会日本聖書協会Amazon買ったのはこの版。 恥ずかしながら新共同訳より新しい訳が出ていたことをはじめて知った。パラパラと読み比べて見…

「受取拒否」と沖縄

インボイス制度反対のオンライン署名が受け取り拒否されたらしい。これを書いている時点ではまだニュースとしては見つからなかったので詳細は把握しきれていない。なので、ここではあまりその辺には触れない。今日ここで書いておきたいなと思ったのは「50万…

一週間目の「わたしがブログを書く理由」:私の輪郭を見つけるために

このブログを開設してちょうど一週間になる。まだまだ模索中のブログだけれど、よい機会なので、特別お題に乗じて現時点での「わたしがブログを書く理由」を言語化しておきたいと思う。 私にとって書くという行為は「思考や感情を捕まえる」ことに近い。ふわ…

立山良司(編著)『イスラエルを知るための62章【第2版】(エリア・スタディーズ)』

イスラエルを知るための62章【第2版】 (エリア・スタディーズ)作者:良司, 立山明石書店Amazonエリア・スタディーズシリーズは前から気にはなっていたものの、読むのは初めて。入門書として、文化や歴史に留まらず、政治や外交、経済など幅広いトピックを平易…

Twitterからの移行先としてのブログ

10年以上Twitterをやってきたけれど、イーロン・マスクによる買収以来、ずっと移行先を探している。このブログをはじめたのもその一環である。 これまでも別の場所を探したことはあった。何度か個人サイトを作ってはネットの海に漂流させてきた。ブログを作…

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』

はてしない物語 上 (岩波少年文庫 501)作者:ミヒャエル・エンデ岩波書店Amazonはてしない物語 下 (岩波少年文庫 502)作者:ミヒャエル・エンデ岩波書店Amazon今回読んだのは岩波少年文庫のKindle版。上巻は5月頃に読み終わっていた。エンデが好きで、『はてし…

アゼルバイジャンと世界の解像度

アゼルバイジャンとアルメニアの戦争が始まったと、Twitterで知った。 news.yahoo.co.jpその戦闘にはイスラエル製の兵器が使われているらしい。今日はドレフュス事件でドレフュスが特赦により解放された日だとWikipediaの「今日は何の日」で知った直後だった…

スティーブン・クラッシェン『読書はパワー』

読書はパワー作者:スティーブン クラッシェン金の星社Amazon近畿大学通信教育学部司書課程の『児童サービス論』テキストで紹介されていた本。「クラッシェン」の名前に見覚えがあるな、と思っていたら、第二言語習得論のあのクラッシェンそのひとだった。大…

若松英輔『本を読めなくなった人のための読書論』/出口治朗『本の「使い方」』

本を読めなくなった人のための読書論作者:若松 英輔亜紀書房Amazon本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)作者:出口 治明KADOKAWA/角川書店Amazonいつからか、「趣味は読書です」と言えなくなった。 「本が好きだ」という感情は変わってい…