つかのま。

読書と日々考えたこと

沖縄県立博物館と文化講座「沖縄の美ら星~豊かな星文化にふれる~」

今日はほとんど一日中県立博物館にいた。
お目当ては博物館文化講座「沖縄の美ら星~豊かな星文化にふれる~」。
okimu.jp
先日行ったプラネタリウムでチラシを見かけて気になっていたのと、知人にも紹介されたので。

講座自体は午後の2時間ほどだけど、県立博物館自体がかなり久しぶりだったので午前から入って常設展示を見ていた。常設展示に入ったのもおそらく10年ぶりくらいになるはず。
ちょうど最近那覇市立歴史博物館の方にもふらっと行っていたので、琉球王国関係の展示は繋がる部分もあってより興味深く見れたように思う。(那覇市歴史博物館の方は首里から地方に移り住んだ士族の文書中心企画展示と玉冠の特別展示の時期だった)

10年前、南部の田舎の家から南部の田舎の学校に通っていた頃は、ごくごく狭い生活圏の外のことはどこも一纏めに「外のこと」だった。世界史を学ぶのも日本史を学ぶのも琉球・沖縄史を学ぶのもほとんど感覚的には変わらなかった。地元の市町村史を読むくらいのレベルでようやく「足下の歴史」を感じていたりした。
それが今は転居したのもあるけどだいぶ広い範囲を自分の地続きで感じられるようになっていると思った。大人になったなぁと思わなくもない。
最近那覇市内の図書館巡りをしていたときにも郷土資料コーナーを見て感じていたことだけど、「足下を知る」というのを地方自治体が支援してくれるのは重要なのだなと思う。

博物館に行くと、「もっと知りたい」と思うことが多い。展示物はごく一部だし、説明書きもあくまで短い文章だし。もっと知識があったらもっとわかることもあって面白いんだろうなぁと悔しくなったりする。古文書読めたら絶対楽しい。絣や紅型の知識ももっとあれば企画展ももっとよく見れただろうな。
司書課程の生涯学習論などで博物館にもちょっと触れているのもあって、生涯学習施設としての博物館をしみじみ感じた。
いくつか気になるテーマがあるのでまずは今度図書館で調べてみよう。適切な資料を見つけられるか自信がないが、なるほどこういうときにレファレンスサービスって便利なんだろうな、とも思った。情報サービス演習のつもりでやってみるつもりだ。


本題、お目当ての文化講座。
こちらも知らない話もたくさん知れて楽しかった。特に「ぱいがぶし(ケンタウルス座α、β星)」の説明は、先日のプラネタリウムでの民話紹介でちらっと登場していたが星名が特定できなかったもの(説明があったかも知れないが聞き逃していた)とつながってすっきりした。その時の民話も改めて紹介されていた(「星女房」の話だった。話の導入として「星の位置で農作業の時期を計っていた」という説明があったときに、画面上に意味ありげに映っていた2つの星のならびが多分ぱいがぶし=ケンタウルス座α、β星のことだった)。

「鹿川の三美螺」について。「寿星螺」は「寿星(カノープス)」が名前に含まれているのがおもしろい、という話で興味をそそられたが、帰ってからネットで少し調べてみると、和名の漢字は「寿聖螺」のパターンもあるらしい。
ジュセイラ | 美ら海生き物図鑑 | 沖縄美ら海水族館 - 沖縄の美ら海を、次の世代へ。-
コトバンク日外アソシエーツのものには星バージョンの見出しもあるので確かにある用法ではあるらしい。
寿星螺(ジュセイラ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
鹿川の、ではなく「日本三美螺」(吉良哲明氏)とされているそうだし、紀伊半島ぐらいまでは分布している種みたいだし、和名の由来などこの辺はもう少し調べた方がよさそう。これも図書館でも調べてみよう。
Microshells: Cymatium rubeculum ショウジョウラ 猩々螺

星にまつわる民話についての興味が強まった。元々ギリシャ神話系だけでは物足りなくて、世界の星の伝説が載っているような本も何冊か読んでいた。
こういう本とか。

今回の講座は八重山中心だったので、やはり私の「足下」感は薄かったというか、地元だとどうだろう?というのが気になった。でももうどれだけの人が“民話”として話を覚えているだろうか。少なくとも私は、星に興味があるはずの父からもその手の話を語り継がれたことがない。
民話等の口承文学を「語り継ぐこと」についても関心がある。図書館でのストーリーテリングもそうだし、エンデもそういったものを好んでいたので。
まずはこちらも図書館で関連資料を探してみる。
ちなみにこれはミュージアムショップで買った。博物館に行った後に図録や関連本を買うのが好き。


常設展も全部は見きれなかった。
来月にもおもしろそうな企画展等があるので、次は年間パスポートを買おうかなと検討している。
今後もこまめに行きたい。