2026年の読書はじめは愛蔵版『シェーラ姫の冒険』になりました。
昨年末、たつみや章作品を一気読みしていた流れで村山早紀作品も読みたくなっていた。私の中では『月神の統べる森で』と『シェーラひめのぼうけん』が同じような重さを占めているツートップ人生本だったりする。なのでこのブログは作品の感想と言うよりも思い出整理ブログみたいになっている。
年末にかけては『風の丘のルルー』シリーズを少しずつ読んでいたのだが、うっかり図書館の年末年始休館前に滑り込めず、ルルーは今3巻まででいったんお預けの状態。でも村山作品が読みたい気持ちがどうにもならず、加えて無料公開されていた『暁のヨナ』を読み始め、気がついたら最新刊まで全部読んでアニメも見終わってしまっており、「お姫様の冒険ファンタジー」への欲求が高まりすぎてしまった。ヨナ、面白かったです。
お姫様の冒険ファンタジーといえば『シェーラ』か『はるかな空の東』。どちらも購入済みで手元にあるが、年末年始で比較的時間がある(やるべきことはいっぱいあるけど…)今読むなら、ボリュームの多い『シェーラ』が優先かな~という経緯で、今年の最初の一冊になった次第。
『シェーラひめのぼうけん』を最初に読んだのは小学校低学年の頃。本をかなり読む方だった私は、早々に学校図書館の絵本コーナーでは満足いかなくなってしまって、やや背伸びして913の棚に足を運んだ。母校では「む」の棚は913コーナーの一番表側の真ん中付近で、ちょうど手に取りやすい位置にあった。
その中で目を引いたのが、『シェーラ』図書館版の深い緑色の背表紙。キラキラの宝石、かっこいい漢字のタイトル。引っ張り出して佐竹美保のイラストに一目惚れだった。以来、佐竹美保・絵の作品を表紙読みして数々のあたりを引いています。大感謝。
何分絵本以外の本を読むのになれていなくて本の読み方がわかってない頃だったので、確か1巻以外から読み始めたような気がする。2巻の『うしなわれた秘宝』からだったかな?このあたりは若干記憶が怪しい。
おまけに学校図書館では5巻の『空とぶ城』が紛失で欠けていたからそこは飛ばして読んでいたのだが、そんなことかまわないくらい夢中で読んだ。細かいところはきっとわかっていなかったし、何なら「シェーラ」の名前を「シェラー」と誤読していたりしたけれども、とにかく面白くてわくわくして、背伸びをしながら読んだ。
この背伸びから私は913棚を住処にして本を読みあさるようになった。私の読書のターニングポイントのひとつで、この出会いがなければどうなっていたのだろう、と思うような、大事な作品だ。
それ以来、小学生の間はおそらく年に一回は読んでいた。『空飛ぶ城』も地元の公立図書館にはあったので、そちらにも通うようになった頃から読めるようになった。何度読んでもわくわくして、読み返すたびに新しい発見があって、自分の成長を感じたりもした。何なら今回も『空とぶ城』でサウードが長老の陰謀(についてのミリアムの推理)を聞いた途端にカッとなって都市を落としていることに今更気づき、『ガラスの子馬』に至るまでのサウードの心情を改めて咀嚼したりしている。通読以外にも『ダイヤモンドの都』『海の王冠』『ガラスの子馬』あたりはその巻だけ抜き出して読むということもあったから、人生で一番読み返している本はおそらくこれらの巻のうちのどれかである。
オリキャラを考えて、シェーラたちと一緒に冒険する妄想をしたりもした。ハイルはかっこいい憧れのお兄さんだった。灼熱の地面を見ると私も目玉焼きの実験をしたくなった。サウードのハッカ水は永遠の憧れ。
最初に読んでいた頃はとにかくわくわくが強かったけれど、成長するにつれてシェーラをはじめとした登場人物たちの生き様に、救われたり影響を受けたりしてきたなぁと感じることが増えてきた。シェーラは強くて優しくて明るいお姫様だけど、『海賊船シンドバッド』で見せたような弱さもあったりもして。ファリードやハイルが暗いところに引きずり込まれそうになっても立ち向かう姿や、サウードのように一度は転がり落ちてしまっても回復していく有様に、ほかにもたくさんの善い人々に、かなり影響を受けている。魔神たちの大きな愛にも。
そんなこんなで大事な作品だけど、私が大人になる頃にはもうフォア文庫版・図書館版は新品では手に入らなくなってしまっていた。いつかは全巻できれば図書館版で手元に置きたい…と思って中古で全巻セットを探したりもしていた頃、愛蔵版が出版されることになってすぐさま函入り版を予約した。手元に届いたときには本当に本当に感慨深かった。
愛蔵版は全10巻が上下2冊にまとめられ、ひらがなが漢字に直されていたり、魔法の詠唱がかっこよくなっていたり、台詞がちょっと変わっていたりする。とにかく手元に『シェーラ』がある、というのが一番大事なのだが、ちょっとだけ残念なのは挿絵がないこと。判型も変わってしまっているししょうがないのかなとは思うけど、口絵みたいな感じでもいいからイラストができるだけ収録されていればなぁ…とはどうしても惜しくなってしまう。でも読み返しすぎて記憶があるため、ない挿絵を脳内で補完して読むことができる。
もう一つ、今回愛蔵版で一気読みして改めて感じたのは、本を読む"テンポ"も大事だな、ということ。愛蔵版は2冊にまとめられている都合上、1ページに入っている文字数も多く、かなりがーっと勢いよく読めてしまう。それで夕方から読み始めて夜中には読み終わってしまったのだが、あれ、こんなにあっさりしていたっけ…と思ってしまったりもして。図書館版の全10巻を一冊読むごとに一休み、という風にして読んでたのとではかなり感覚が違う。トータルで読むのにかかっている時間は多分同じなんだけど。同じ物語でもこんなに「本の形」で読書体験が違うんだなぁ、と感じたりした。挿絵もやっぱりほしいし変更箇所の読み比べもしたいので、やっぱり結局図書館版の中古は買うと思う。
あとがきでも「30分アニメをイメージした」とあるけれど、本当にアニメ化しないかな。結構アニメ向きなのでは…と思っており。Eテレで2クールくらいでいかがでしょうか…。
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