つかのま。

読書と日々考えたこと

【大阪旅行:2泊3日】〜3日目:四天王寺と古墳〜

最終日3日目。
この日も朝一番で炭水化物を肉吸いとミネストローネで流し込み、8時頃にはチェックアウト。

飛行機は夜の便。方角的にも途中の堺でじっくりのんびり古墳めぐりを…と思っていたが、急遽予定変更。朝一番で四天王寺によることにした。

前日に訪れた大阪歴史博物館の展示で触れられていて、実際に見たくなったので。

8時半から有料拝観開始ということで、オープン直後を狙って天王寺駅から徒歩で向かう。Goggleマップの案内に従うと庚申堂前を通って南大門から入るルートだった。住宅街から覗く五重塔が印象的。

まずは中心伽藍から。



朝一番ということもあって、他の人はごくわずか。静謐な雰囲気でぐるりとまわる。

ちょうど金堂の中を見ていた時、読経がはじまった。

敷地内のいたるところにたくさんの名前がおさめられている。私は典型的な沖縄人という感じで、家に仏壇はあれど仏教的なものだという感覚はほぼないまま生きているわけだが、敷地中にあふれる名前と、住宅街から覗く五重塔と、朝の静寂の中に響く読経とに、くらしに溶け込む信仰をひしひしと感じた。

五重塔の中にも入った。ここにもたくさんの供養のしるし。真っ先に思い出したのは、牛久大仏の胎内だった。塔と大仏とで外見は違えど、そこにあるのは同じだと思った。

もう一つ思い出したのは、以前ウクライナに行ったときに訪れた教会だったりする。


境内をぐるぐると。
これは亀の池の亀。あまりにも動かないので一瞬作り物かと思ってしまったが、水の中には傾斜をうまく上がれずもそもそしている亀がいたりした。亀の文鎮とても欲しくなってしまった(エンデ的にも亀には愛着が…)けれども流石にちょっと諦めた。


庭園の方も散策したり。宝物館にも行きたかったのだけど、閉まっていた。計画性のしわ寄せがここにも…。

義経のよろい掛け松を眺めて、前日に行った逆櫓の松跡からのつながりを感じる。

ひと通り眺めたところでもうすでに11時頃。宝物館に行けなかったにも関わらず想定よりも時間をとってしまっていて、急ぎ気味に天王寺駅に戻った。


そのまま、阪和線に乗り込んで堺に向かう。目的地は大仙陵古墳堺市博物館。最寄りは百舌鳥駅だが、荷物をロッカーに預けたいのと、空港までのアクセスを鑑みて、一度手前の三国ヶ丘で降りる。三国ヶ丘は2階の南海電鉄改札前にロッカーがある。

お昼をどこでとるか決めかねていた。三国ヶ丘の方が近隣の飲食店は充実しているが、とりあえず百舌鳥駅に向かうことにした。

百舌鳥駅から博物館へ向かう道すがら、さっそくこんもりとした古墳を見つける。



いよいよ来たぞと否応なくテンションが上がる。

お昼には古墳カレーにチャレンジしたかったのだが、お店が閉まっていたようだった(やっていたのかもしれないけど…)。


そこで、カレーは諦めて古墳バーガーに。
大仙公園内のこふん前cafe IROHA。

ボリューミーなバーガーの下のトレイも前方後円風。かわいい。



一息ついて、まずは堺市博物館へ。

流石に古墳関係の展示が手厚いが、そこを起点に今につながるまでの堺の歴史をざっと学べる、コンパクトだけど良い感じの博物館だった。

中でも須恵器を時代別に並べた展示などが圧巻の物量。古代から中世までへの連続性を感じさせるような展示だった。

お気に入りは失敗須恵器が並ぶ一角。



ぐにゃ…となってたり蓋がくっついちゃったり、窯自体が崩壊しちゃったり。うまくいかないことっていつの時代もあるよねぇ…。

所要時間40分くらいのはずが大幅に超過する。これでも一言一句読んだりはしてないのだけど、博物館の所要時間ってどうやって算出してるんだろう?どの博物館に行っても常に時間は足りてない。

ひとまず満足したところで外に出る。すぐそこの堺市茶室伸庵でお茶をいただくことにする。博物館で千利休の名前を見たりするとね…。

かわいいお菓子とお茶。
本格的なお抹茶をいただくのは多分初めてか2回目くらい。椅子席なのもあって気軽な感じ。でも、亭主役の方の所作がものすごく自然に綺麗で素敵だった。先客が退室したときには戸が閉まってからもしばらく礼を続けていたのを見て、いざ自分が退室するときにもこの戸の向こうにいらっしゃるのだなぁと感じていた。

いよいよ古墳に繰り出す。


大仙陵古墳の正面。


基本的には一番外の濠の更に外の遊歩道からしか覗けないわけだけど、この正面部分は一番深く入れるところだ。

ボランティアガイドさんから色々と話を聞く。だいたいは堺市博物館(と近大行ったときに読んでた本)で知っていた内容だったが、実際に「仁徳さん」と読んでいるのを聞いて感慨にふけるなど。

ここから半周して三国ヶ丘に戻る予定だったので、半周なら時計回りと反時計回りどっちがおすすめか?と質問して、それなら時計回りが良いと教えてもらう。万葉集の歌碑なんかもあっておすすめだとのこと。

一度反対方向のビジターセンターによって古墳みやげをちょっとだけ買い、歩き出す。

周囲は遊歩道が整備されているので、迷うことはない。古墳を常に右手に見ながらずんずん進む。

とにかくでかいし、道沿いだけでも次々と陪冢が出てくる。地上からみたらただの山と池にしか見えないんじゃないかなぁと思っていたが、実際見てみると陪冢の小さめの円墳でも、自然のものではないのが感覚的にわかるし、鬱蒼とした大仙陵古墳ももちろんそうだった。


ボランティアガイドさんおすすめの万葉集歌碑。



おそらくサギ?白い鳥と黒い鳥が並んでとまっているのが印象的だった。ほかにもいかにも鴨というビジュアルの鴨が泳いでいたりした。

大仙陵古墳に実際に埋葬されたのが仁徳天皇かどうかは考古学的には確かめられてないが、確実にその当時相当の権勢を誇っていた誰かなのだろうなというのは納得できる。そしてこの古墳が古墳時代から現代に突如現れたわけではなく、ずっとそこにあって人々のくらしの中に自然とあり続けたのだろうということも。

そうこうしているうちに、三国ヶ丘駅前に着く。もう少し時間があったので、眼の前のこ・ふんカフェへ。



古墳アイスで一服。かわいい。ほろ苦抹茶ソースたっぷりで美味しかった。

その後はロッカーから荷物を回収して、そのまま関空快速で空港へ。



これは空港での駆け込み551。豚まんは正直良くわからなかった(美味しかったけども普通においしいなという感じで)が、海老焼売は確かに美味しかった。

Peachはターミナル2、搭乗口はかなり奥。歩き回ってすっかり疲れており、腰に危機感を持ち始める。ついついマッサージチェアに課金しつつ、ラストの便で那覇に帰った。帰宅が遅くなりすぎるので欲ばらずにもう一本早くしても良かったかもと思いつつ、やりたいことは全部できたなと満足感も覚えつつ。飛行機の中で読もうと思って本を毎回用意するのに、毎回爆睡して半分も読めない。


以上、今回の大阪旅行の振り返り。
全然体力がないのに四六時中歩き回っているような観光をしたり、あちこちニアピンで逃したりと後悔は若干あるが、トータルでは詰め込みたいものを全部詰め込めた旅だった。