つかのま。

読書と日々考えたこと

ミヒャエル・エンデ(詩)ビネッテ・シュレーダー(絵)『影の縫製機』(新装版)

影の縫製機

影の縫製機

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以前何度かクラファン応援の記事を書いていたエンデ『影の縫製機』の新装版がついに発売!
クラファンのリターンとして一足早く手元に届いてたのでした。
旧版と比べてみたかったのでしばらく経ってしまいましたが、なかなか旧版のある図書館に行くタイミングがなく…一足先に新装版だけで書きます。
おいおい借りてこられたら比較して追記するかも。

※2026/05/24:長崎出版版との比較部分を追記しました。

↓クラファンの時のブログ
tsukanoma.hatenablog.jp

オリジナルのドイツ語装丁を可能な限り再現したという素敵な装丁。
函まで布張り!高級感がすごい。

少しだけ背が函から飛び出しているのですが、これも原書と同じ仕様だそう。

本文の紙も特殊紙。うっすらグレー?緑?で、作品の少し薄暗い神秘的な雰囲気を深めている。

そしてこの新装版の一番嬉しいところはドイツ語原文が巻末についているところ…!
届いて真っ先に見ました、特に俳句を。
ドイツ語はまだ勉強中で辞書を引きながらどうにかこうにか…多少は…という程度なんだけど、それでも訳詩と原詩を眺めているとわくわくするし、エンデの書いたそのままの言葉に触れられるのが嬉しい。

さらに、今回は書き下ろしの訳者あとがきもある。その中でも、詩を訳することの複雑さに触れられている。この訳者あとがきも踏まえて原詩と訳詩を見比べられるのは本当に贅沢。最高、ドイツ語も頑張ります…。

長崎出版版も図書館から借りてきたので、どこが変わっているかをチェックしてみた。

改訳箇所があるのは以下の詩。(見落としがあったらごめんなさい)

  • 本当の林檎
  • 小さな小人
  • 綱渡り
  • 独楽

ドイツ語原文がついているから、どういう意図で改訳したんだろう?と見比べられるのも醍醐味。リズム優先なのか、意味優先なのか?
訳というか表現の変更で、「綱渡り」では「なにもかけずに」→「な に も か け ず に」という変更があった。何だろう?と思って原詩をみてみたら、該当箇所は「n i c h t s」となっていた。このスペースの有無だけで、「どう読むのか」は結構変わってくる。原詩の表現に触れられて、それに近い訳になっているのに気づいて、とても嬉しかった。

小さい変更点としては、各詩タイトルの横や下に読み仮名が振られていたのが、全部上のふりがなに統一されている。
地味に読みやすくていいのと、「小さな小人」はフォントが小さくてふりがな振れず括弧がきになってしまっていたのが、こちらもフォントサイズを少し上げてふりがなに統一されていた。旧版の目を近づけないと読めないような表現も好きだったけど、読みやすさは新版かな。

今回初めてクラファンに参加してみて、Xでもクラファンを通じてたくさんのエンデ好きの方の思いに触れられた。人生で一番なくらいエンデの話もできて、本当にものすごく楽しかったし、もっと深くエンデを読みたいなと思える機会だった。今年こそはエンデ全集を手元にそろえようと計画を立てつつ、今年の夏に黒姫で開催される「エンデキャンプ」にも参加したいなと思っているところです。

まずはクラファン特典の発売記念イベント!酒寄進一先生のお話も聞けるとのこと。とても楽しみです。