↑のバージョンの合冊版Kindleを買って読んだが、1冊ずつ買ったほうが安かったっぽいと今更気づいた。まぁいいか…。
ファンタジーながら基本は現代舞台、主人公は(前半は)子供ということもあって、英語はそれほど難しくなく、テンポよく読んでいけた。(もちろん日本語で何度も読んでいるのでストーリー把握できているというのもある)
出だしの一文からぐっと引き込まれるような面白さがあって、英文としても読みやすい…のでは?と思っている。少なくともDarren Shanの前に読んでていた The Worst Witchシリーズよりは個人的に読みやすいかも。
なお、このブログには当然のように最終巻までのネタバレがあります。
万が一にも『ダレン・シャン』に触れずに来てしまった人は今すぐ『ダレン・シャン』を読んでください。面白すぎるため。
記録を見ると2024年6月ごろから読んでいたようなので、約1年半。
途中で多読を中断してしまったりした時期があってここまでかかってしまった。
特にこの作品、どんどん辛い展開が起きていくのを覚えていたたため、読み進めるのに気合が必要だった。
おそらく最後に日本語で読んだのは15年くらい前だと思う。小中学校の図書館にあって何度も何度も読んでいた。
結構グロテスクで気持ち悪さも怖さもあって、そういうちょっと"危ない"ものに惹かれがちな小学校高学年くらいの子供にはめちゃくちゃ刺さる作品で、同級生の読破率もかなり高かった記憶。
今回改めて英語で読み直してみると、真っ先に思い浮かんだ感想は「そりゃ流行るわ、こんなにおもしろいんだから…」だった。
特にとにかく構成がうまい。うまくない?
1巻ごとの展開が面白く、章のつなぎもハラハラさせてどんどん読んでしまうのはもちろん、全12巻もある長めのシリーズなのに、シリーズ全体の伏線回収も着実にやり、前半巻のイニシエーションなどしっかりと「やるべきこと」をやって舞台が回帰し運命が収束していくような流れがあまりにも気持ちいい。
この構成はあまりにも出来過ぎだな…とちょっとメタな読み方をしてしまいたくなる瞬間があっても、でもこれはデズモンド・タイニーの手のひらの上だから…!と納得してしまうことができる。
…と思いきや、最後の最後でなぜこの作品において作者と主人公が同じ名前なのか?が明らかになる瞬間、さらなる"納得"で呻くことになる。この作品が「物語としての出来」が良いのは当然だ、だってそのように書かれたのだから!
最終巻の畳み掛けが本当に好き。
「この物語は主人公ダレンの日記を元に、大人になったダレンが書き上げたもの」という、第四の壁を壊しに来る畳み掛け。
あかがね色表紙の『はてしない物語』と似たような仕掛けなわけだが、あの作品で読者は誰でもバスチアンたり得るのと同じように、この作品でも誰もがダレン・シャンたり得るように示されていく。
(全く余談だが"Ende"なんて名前の人が書いた"はてしない"物語、というのと、"ダレン・シャン"という名前の人が書いた"ダレン・シャン"という本、という著者名とタイトルをあわせたときの面白みにも勝手に親近感(?)を覚えている)
「ハーフバンパイア」「最年少のバンパイア元帥」「影の大王候補」「バンパニーズ大王のハンター」「運命の息子」…数々の特殊な属性・肩書を持つダレンも、もともとは「かなりクモが好きで、ちょっといたずら好きなだけの普通の子供」だ。(実はデス・タイニーの息子で動物を従える才能がもともとある…というのは特殊だけれども、それは特に意識されずに生きてきたわけで)
そしてそういうちょっと"危ない"ものが好きな子供というのは…そう、『ダレン・シャン』を最後までワクワク読み進めてしまうような読者もそうだ。
ダレンが過去の自分を運命から遠ざけた結果、傷ある者の戦いに巻き込まれる子供はダレン・シャンではなくなった。代わりの子供は男の子かもしれないし、女の子かもしれない。ただ、夜の世界に足を踏み込んでしまうような、ダレンのようなちょっと"危ない"子であることは確かだろう。
作中のダレンが意図した通りなら、この物語が出版されている頃には傷ある者の戦いは一旦収束しているはずだけど…はたしてダレンの策略で登場人物が入れ替わってしまったなら、一体誰が?ダレンの立場だけではない。デビー、ミスター・クレプスリーやスティーブでさえも別の誰かがその立場に立っている…のかも。あなたが出会った人の中に、怪しい人はいませんか?あなたの周りにバンパイアやバンパニーズはいませんか?いたらこの作品を紹介してあげよう。物語なんて読まないデズモンド・タイニーの目を欺き、その企みをくじきながら未来を変えていくために。
とにかくとにかく面白かった。これは当然流行ります。
この作品ってすごいんだよ…と誰かに語りたくなるような…でも同年代のある程度の物語好きはだいたい読んでるので今更である。
今後、タイミングをみて外伝も読みたい。外伝のガブナーの話が大好きだった…。
実は『クレプスリー伝説』の方は未読だったりするので、今後読んでいきたい。
『デモナータ』も当時あまり刺さらなかったんだけど、今読んだらまた変わっているかな。読み返したくなった。
多読の方はこれで150万語くらい。次は『盗神伝』(The Queen's Thief)に戻る予定。The King of Attoliaを少しずつ読み始めている。この間までは邦訳が出ていて内容は把握できているので、サクサク読み進めて年内で読み切りたい。
年末になるとワインが飲みたくなり、ワインが飲みたくなるとチーズとオリーブが欲しくなる。そうすると『盗神伝』が読みたくなる。これは自然の摂理なのです。
そしていよいよ本来の目的である「未邦訳の盗神伝の続きを読む」に来年こそは切り込みたい。
